2008年6月アーカイブ

「お前のチケットの変更も、もう頼んどいたからな」

「え、ちょまっw、待て、無理矢理こっちの仕事のスケジュール調整してもらったんだから、俺は予定通りの飛行機じゃないとダメだってば」

米国に住む姉を両親と訪ねるため、数ヶ月前から予定を組んでいた。以前にも少し話したが父親は末期の肺がん患者である。恐らく最後の旅行、というか家族が一同に会する最後の機会となる。

それが直前に投薬との兼ね合いで、渡航スケジュールに変更が出たのだ。

「あ...そうや。そうやったな...」

(まったく、なんでそないにせっかちなんや!親父は!)

といつもの苛立ちが喉元まで出かかり、思わず呑み込む。


「...余命、2ヶ月から3ヶ月です」


医者の口調は意外にサバサバとし、それがまた僕の現実感を無くす。

「聞いたか?」

深くため息を付き、こちらを向いたその口元は諦めを含んだ笑いが浮かんでいる。

「ああ...うん」

僕もつられて苦笑いを浮かべてしまう。

癌は肝臓に転移し、既に肝臓自体が倍以上に肥大している。腹の上からも分かるくらいだ。CT画像など見るまでもない。

「今後、肝機能不全が予想されます。分解出来ないアンモニアが全身に回り、意識混濁がまず現れ...」


思えば、随分と身勝手な父親ではあった。理不尽で強権的な父に対する我が家族の感情は...僕の...

とここで言葉を連ねた所で、この距離感は他人には伝わるまい。

...端的に言いますとですね。

うーん。

肉親の死のその身をそがれる様な思い(がするであろう)を、僕は感じないかもしれない。と言う事。もしかしたらそれは、このうちで僕だけじゃないかもしれない。

遺書、マンションの名義人の変更、遺産分配、株券の処理、母親の遺族年金の受け取り口座...ありとあらゆる手続きをテキパキとこなし、ご丁寧に葬式(密葬だが)の手順、死亡届の提出先、の指示書まで準備している。全て自分の思い通りの段取り、手順で物事が進まないと気がすまないのだ。これを手渡された僕はすでに義務感に縛られ、気分が重い。

過度に自己完結しすぎ感情移入をすら許さない様なそんな父親なのである。

なんというか、それぐらい奇妙な家族なのだ、うちは。それはこの父親を中心とした我が家の独特の世界観なのかもしれない。ドライとか、冷えきったとか、そういうのともちょっと違うんだけど。伝わってます?

だから余計かな、余計に、感傷的な気分を抜きに、ただ一人の人間の滅する過程に無常を感じざるを得ない。

それは強烈に感じる。
新宿明治安田記念ホールへ。御大のご機嫌伺い。今年の国立劇場はお声がかかるのかどうか?親父の容態も微妙だし、8月頭はイベントで大阪へも行かなくては行けない。

が、結局、御大は映像を使うとも使わないとも言わない。打ち上げの席で苦笑いして座っていると木村マリさんが、「ほら早めに決めてあげないと彼困ってるわよぉ」と水を向けてくれるも

「それが分かれば苦労はねぇんだヨ...」

向こうも苦笑い。御大と交わした言葉はコレだけ。むー。あとは松元ヒロさんに色々タメになるお話を聞く。ああ癒されるわ...


高座で聞けた千両みかんが身に染む。みかん問屋の大旦那が「いつどんな時に客にみかんは無いかと聞かれてもお出し出来るように毎年、腐るのを承知で蔵にみかんを保存しているンです」と胸を張るシーン。ああプロ根性とはかくのごとし。

それを全く介さず、その心意気の為に千両もの値がついたみかん(だから季節外れとは言え、実際はただのみかん)三房を持って蓄電する番頭のいかにも俗物めいた心情も分からないではないが...。
喉が引き裂かれるように痛く、寝込む。喉に来る風邪はあんま引かないので、やや新鮮な病状。熱が出たので冷えピタとルル。熱は下がるが喉は改善しないのでベンザブロックL。喉の痛みが取ると咳が出るので、パブロンの咳に効くタイプの...。症状毎に薬を買えるとテキメンに効果が出るので面白い。

...が薬って高いよね。たまに買うとびっくりする。

職場でうつされた風邪ってのは労災は効かないもんなんだろうか?
考えた方がいいですよ、と友人のA山さんに言われたのだ。先日。仕事を振ろうにもこんなじゃ人に紹介できませんよ、と。へい。分かりますとも。

だけど俺は声を大にして言いたい。

...

最近、何故かスーパーでマルちゃんの3玉入りソース焼きソバが安いぞ、と。158円だぞ、と。

なんでなんだ?この原料高騰の最中に?

...

そんなペエジさ。どうせ。
事件。

二日酔いのせいか気分が優れず、テレビもPCにも向かわずダラダラと昼まで過ごす。

惰性でジムだけにはなんとか行って帰り道、携帯を覗くと例の通り魔の速報。すわ、と思い夕方近くになってようやくテレビを付けるがNHKではパフュームのライブ中継。ほかどの局でもやってない。

気付くのが遅いっちゅーの。

ぼーっとパフュームを見る。

あー結構、いい曲だなあ。このフワフワ感。ニュースソースから遠ざけられたまま、僕の想像はあらぬ方向によろよろ歩き出す。

考えても、考えても、しょうがない。

確信的なポップは反感を覚えるが、諦念に満ちたポップはなんだか哀しく心地よい。
また実家にお見舞いついでに横浜在住のA山さんと野毛ブラ。1軒目はその名も「大衆」というジンギスカンとホルモン焼きの店。じゃりん子チエばりのハードコアな見かけの割には...んーフツー。東京の方がもっとうまいホルモン屋はあるよなあ。

あ、でも、そもそもホルモンちゃあそんなに期待して食うもんでもないじゃん。

いかんいかんグルメブームに俺も毒されてる。侘しい味覚や下品な食感に情緒を見いだす。それがホルモン道。

2軒目は横浜に60年続いたカクテルバーを引き継いだ「オーシャンバー 元・バラ荘」。この店構えを見て入らないバカはいまい。



















ちょっと写真だとオバケ屋敷のようであるが...。渋い外観なのである。

ドアを潜るとカウンターは馴染みと思しき客でびっしり。その人垣の向こうからママがガツンと一言。

「あーちょっと!ちょっと!うち入場料とるわよっ」

なんだとー!一見さんお断りならちゃんと書いとけ!このバ... と思ったらハテどっかで見た顔...

「 あれ?『波の上』のママじゃないっすか!!」

かつて野毛の町興しイベントをやった時にお世話になったママさんなのであった。もともと沖縄居酒屋をやっていたんだが、紆余曲折を経てこの店を引き継いだんだとか。

「あー、アンタあん時、面白い映像出してた人!」

ああ覚えていてくれましたか。またこんなトコで出会うとはなんたる奇遇。あれやこれやで話に花が咲く。ママさんは、商店会が一方的にスピーカーから流す演歌に対抗して、店の年代物の巨大なモノラルスピーカーを戸外持ち出し、オペラを爆音で流したりしてるらしい。

「飲み屋街だからって演歌だろうっていう先入観がね、そのセンスのなさがね、嫌なのよっ!!」

あのイベントが功を奏したとは思わないけど、でもやっぱり野毛は楽しい所だ(飲ん兵衛には?)。こういう町を無くしちゃいけない。
訳あって、いや、そんなにないけど、ダイエット中である。ジム行っても全然お腹周りがスッキリしないんだもの。やや胸筋とかは付いた気もするんだが...。まさか腹筋割ろうとは思わないけど。

とは言ってもダイエット中、お腹は減るので炭水化物を少なめに、代わりにタンパク質を取る。肉ばっかし食うのもなんかスマートじゃないから自然と豆製品に傾く。豆乳とか豆腐とかおからとか。

そう言えば、一時期大豆イソフラボンって流行ったよな...。あれって何に効くんだっけ?と調べてみると女性ホルモンの補助をするんだとか。あとは、カルシウムの消失を防ぐとか(つまり骨粗鬆症防止)、更年期障害の緩和とか...。あれ?男性にはあんまり目立ったメリットってないんだなあ。

あんまり過剰摂取もよくないみたい。

...はっ、この胸の膨らみは!?

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