2008年7月アーカイブ
甥のビトは朝から学校。本来、高校は夏休みのはずなのだが、短大にて心理学を受講しているとのこと。大学入学のための内申書用にどーたらこーたら。
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「あーウィークエンドが終わっちゃったからSちゃんと遊べない...」
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結局、月曜から木曜は朝から夕方まで学校に行っている。姪のソニアもピアノだ、バイオリンだ、ダンスだ、水泳だ、で、しょっちゅう習い事に出かけている。こっちの子供はハイパーだ。一緒にプールで遊んでいて、いきなりバッサバサとバタフライを始めたのには目を剥いた。何の型で泳がせてもめちゃくちゃ速い。まるで魚のようだ。彼女のバイオリンはちょっと聴けたもんではないけれど。
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「8月に入ったら夏期講習(?)も終わるのに、Sちゃん8月にまた来ない?」
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恨めしそうにビトは姉の運転する車で出かけていった。
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昼飯も兼ねて両親を伴って巨大ショッピングモールへ。お土産などを調達。店員の態度がびっくりするほど横柄で閉口する。かと思えば、急に「ご機嫌いかが?」なんてニッコリ話しかけてくるやつもいるのでどうも参る。
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午後はソニアとプール遊び。明後日には帰国だ。父の病状には幸いにも変化はなく、ホッとしている。正直、まったく気が進まない旅行ではあったが、甥と姪と過ごせたのは楽しかった。
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「ねえ、ソニア!バタフライ!」
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褐色の四肢を思うさま伸ばして、また得意のバタフライを見せるソニア。ニカっと笑うその白い歯。刺すような日差し。青く濁った空。
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「ああ、夏休みかぁ...どんな感じだったかなあ」
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バタフライ!バタフライ!ソニア!体中で夏をかき回せ。
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一年中、夏休みみたいな叔父さんだけど、君たちのその煌く夏の愛おしさはもう味わえないのだよ。
朝6時にたたき起こされる。
義兄「Sちゃん。ハイキングに行きましょうっ」
は、はぁ...。甥と二人で眠い目をこすり車に乗り込む。車で20分ほどで目指す山のふもとに着く。山肌は短い牧草?に覆われてはいるのだが、元々乾燥地帯だけあってすべて小麦色に枯れている。ぱっと見ゴルフコースのようにも見える、いかにもアメリカ的な『健康的』な景色。が、山頂が霧に覆われているのに一抹の不安を覚える。
...これどこまで登るんだ?
割と勾配のある坂を登れども、登れども頂が見えてこない。もう山頂まで行って来たのか、帰りの下り坂を降りてくる、アメリカ人たちは半そでに短パンで軽快そのもの。
「この人ら毎日これやってんすか?」
「うん、そうね。日の出前に上り始めて降りてから朝食食べて、会社行く人もいるよ」
バカか、お前ら。
かれこれ50分も登らされて、ようやく霧が晴れる。というか眼下に雲が見えた。ちょまwこれ、お兄さん?登山じゃねーっすか?
それからさらに40分。もはや崖のような斜面を這うようにし、ようやく登頂。行きはまだしも帰りの下り斜面に踏ん張る太ももがすでに筋肉痛でパンパン。
帰宅してヘバっていると。
「Sちゃん。サイクリングに行きましょうっ」
ゴフっ。
今度は甥と姪を伴ってベイ周辺にあるサイクリングコースへ。もー、ケツと太ももが痛いのなんの。これで帰ってプールに入ったらトライアスロンだな...へへ。と遠のく意識で考えた。
サンノゼのダウンタウンでImaxシアターを観る。ほら、あれだ視野の180度くらいをドーム型スクリ?ンで覆うっていう、いかにも万博テイストなあれ。うちの父親が以前に観たらしく「これはS(俺)にも観せたらなあかん」と言ったらしい。上映されていたのは海の恐竜のCG作品。時代遅れな技術とは言え、確かに没入感はある。実は僕は高いところと海中(特に深い、あるいは遠くの、ぼやーっと闇に消えていく感じ)がめっぽう怖い。映像でもダメ。ある意味、手に汗握る。
昼はビアガーデンへ。義兄が僕に気を利かせてくれたようだが...。こっちではどうもアルコール類はネガティブなイメージが付きまとう。どこか後ろ暗く、あんまり健康的な感じはない。そこに老人連れのアジア人の一向(チャイニーズ+日本人+インド人)がいるんだから、なんとも珍妙な光景。自家醸造のビールはうまい。
滞在中は外食が多くなるのだが、しかし肉と油まみれの食事ばかり。道行く若い人も結構メタボ。
夕方から甥に伴って近所の人造湖公園をジョギング。
うわ、退屈やで。アメリカの普通の家のくらしはほんま単調で地味。ほっといたらみんな毎日タコベルでラインダンスなのかも。
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時差ボケのせいか朝の六時半に目が覚めて、ビトとジョギング。
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まあ姉の住んでいる地域というのは割りとアッパーな方なのかもしれないのだが、この妙に整然とした町並みとか、やたら健康的な日差しとか、ドでかい人口湖の公園とか、変にニコヤカな人々とか...この風景に、なんで僕の心はこんなも落ち着かないのか。きっと一方で歪んだ意思やエネルギーもふつふつと蓄積されているに違いない。こんな風景を見て、心が晴れ晴れするか?
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昼食にまた両親をともなってゲンナリドライブ。
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もどってきて裏庭でビトとソニアとでプール(!)遊び。まったくブルジョアめ...。底が深すぎて溺れそうになる。
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夕方は16になるビトが腕ふるってバーベキュー。男の子はこれができるのがたしなみだとか...美味くも不味くもまあ肉...だな。
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夜は姉夫婦とビトとでヘルボーイ2へ。...つ、つまらん。あー1が秀作だっただけに台無しだなこりゃ。
空港で両親と姉、姪のソニアに迎えられる。10年ぶりのアメリカ、とは言えとくに感慨もない、かな。
あわただしく空港近くの飲茶で食事を済ませる。こっちの中華料理屋はどうしてこんなにダダっぴろくて公民館みたいにそっけないんだろうか?ツルツルで太いハシで大雑把な味の地飲茶をつつく。褐色の肌をした姪、中国語が飛び交うテーブル、我が血族はかくもガチャガチャと混沌に包まれている。
「もー、時間通りに食事に連れて行かないと、すーぐイライラして機嫌悪くなるから」
顔を会わすなりいきなり愚痴の姉。そのゲンナリした顔から、あいかわらずの父のワガママぶりが察せられる。
「こっちは広々してて気分が晴れるで」
と当の父はケロっとしてる。
が、そういう空は遠くまで霞がかかっている。頻発する山火事の煙のせいだ。僕の記憶にあるのはスカっと抜けた青空だったのだが、これも温暖化の影響だとか。
「あ、久しぶりにタコベル、食いたい...」
と口走ったばっかりに夕方からはタコベルを持たされ、甥のビトとソニアを伴い近所の公園へ。体のいい子守か。カントリーみたいなフリーコンサートを芝生で聞かされながらアホみたいにデカいペプシでジャンクなタコスを食う。んー舌が肥えたかなあ、若い頃ほど美味く思わない。せめてビールが飲みたい。
おお、白人が大挙してラインダンスを踊ってる。ヒマだなあコイツら。
