バーの営業報告どころじゃない件について

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バーは一応、レギュラーマスターとして最低月1回はエントリーしておかなきゃいけない。バタバタと忙しい中、滑り込みで空いていた月末に開店。

野暮用で外出先から夜遅く戻って、サミットで仕込みの買い物。簡単にポークビーンズとピクルスでいいかな?

ま、ここまではええねん。

買い物袋を下げて、マンションに戻ると。あれ?うちの部屋の前になんか落ちていた。

ペンケース。

これ家人のペンケースだ。仕事柄、メモを取ることが多いのでいつも持ち歩いている。

「なんでこんなとこに?」

あいつ鍵を出す時に落としたのか?気づかねえかな、普通。と、鍵穴にキーを差すと、...扉に鍵がかかってない。すごく嫌な予感。

ドアを開け、やや急ぎ足でリビングに向かう。家人いた。ベッドでブランケットにくるまっている。

「ただいま。おーい」

今日は夕方から新宿で上京してきた両親と晩御飯を食べていたはず。当然酒も呑んでいたであろう。酔っぱらってるのかな?と顔を覗き込むと。

...あれ?

なんか顔が汚れている。紫色っぽい付着物が。

「お前、ゲロ吐いた?ワインとか呑んでね?」

「うふ〜」

なんか気持ち良さそうに笑っている。でも吐瀉物とかは見当たらない。よくよく顔を見てみると...

...血? ヽ(´Д`;≡;´Д`)丿 ウワー 血じゃないかコレ!?

「な?な?な?おま、なにしたの?」

「うふ〜」

相変わらず気持ち良さそうに笑っている。ふとベッドの脇に投げ出された鞄を見る。...血、血まみれ。眉毛の端に白い肉が見えてる。

「おわー。ちょ、ちょ、ちょ、おま、おでこの端がパックリと割れ...」

「うふ〜」

じょ、状況を見極めるため、玄関まで戻る。傘。玄関に投げ出されていた傘。これもぐんにゃり曲がり(ほぼクエスチョンマーク状)、血まみれ。ビニール傘ゆえにこびりついた血のりがファッキン・ハードコア。なんかのホラー映画の小道具のよう。脱衣場。シャツが血まみれ。あれ?これ通訳とか行く時のお気に入りのよそ行きだよな?そう確か家人は、字幕の仕事を徹夜で上げてから、外の仕事に出かけのだった。で、その後に両親と新宿で会って酒を飲んだらしい。そういえば帰り際にかかって来た電話えらくロレツが回ってなかった。よくよく話を聞くと三鷹の駅前で激しく転んだようだ。

こらアカン。日赤病院に電話をかける。

「ちょ、起きて。起きて病院行くよ!」

「うふ?...うぅ...うぎゃー」

急に泣き出す家人。

「病院いぎだぐない〜もう大丈夫だも」

とりあえずズボンだの履かせて、通りに出てタクシー拾って日赤に向かう。この時点で午前零時。もータクシーの中でうるせーのなんの。

「もう大丈夫だし〜なんで病院行くのか意味わかんないし〜眠いし〜げへへへ」

「うるさい!」

もうずっとこの調子。病院の受付でも俺が懸命に状況を説明している横で、

「あのですね...酔っぱらって(げへへ)、頭を打ったようなんですよ(げへへ)お前、うるさい!」

「怪我をされたのは、何時頃でしょうかね?」

「多分、8時から(げへへ)10時の間かと...おまえうる(げへへ)...ぷ、ぷふふ。お、俺が話してるぷふふ...ス、スミマセン。うるさいってばわははは!!」

...不謹慎にも思わず吹き出す。深夜にもかかわらず病院内は混雑し、熱を出した子供や、手にケガを負った青年など、深刻な顔つきの患者たちがベンチにひしめいている。そんな中で血まみれではしゃぐオバハンと、テンパりまくりのオッサン。なんかこのしょうもないシチュエーションが妙にツボにはまり、怒りながらも思わずもらい笑い。竹中直人か俺は。

受付すませてから待つわ、待つわ。途中看護士さんが傷の消毒してくれたものの。診察室に入ったのは午前2時過ぎ。

「これ縫わなきゃね」

「えー縫いたくないです」

「綺麗な顔に傷が残っちゃいますよ...」

「別に綺麗じゃないです」

(同感)

「いや、そういう問題じゃな...もうガンガン縫ってください(いっそ雑巾みたいに)」

「えー」

「...フウ」

やや疲れた感じの若い女医さん。きっと、こんな馬鹿な急患ばっかりでうんざりなんだよな。

「...じゃ、その前に。一応レントゲン撮っときましょうか...」

で、撮影室。ここもすでに5〜6人の行列。だめだもう俺眠くてアカン。そんで多分、こいつ死なない。

「俺、むこうで寝て待ってるわ...ちゃんと先生の言う事聞くんだよ」

3時過ぎに施術終了。病室に行ってみると、がっつり3針縫われてやんの。2人で先生の話を聞く。脳内出血は見られないが、一応用心するようにとのこと。

「もう半日くらい様子見て、物が二重に見えたりとか吐き気がしたりとかしたら...」

「ギ、ぎぼちわるい...」

「え?えええ?」

一瞬、焦る俺と女医さん。

「ト、トトト、トイレはそこの...ま、間に合いますか!?」

一目散に走り去る家人。取り残される俺と女医さん。

「あ、多分あれは酔っぱらって...だと思うんですけど」

「はあ」(多分そうでしょうね的なため息)

なんだかんだで、処方薬出してもらった頃にはもう午前4時。俺ら以外の患者はもう誰もいない。で、なんでか家人の手には病院内のコンビニで買ったおにぎりが握られてる。

「おま、さっきゲロ吐いたばっか...」

「なんかお腹空いちゃった」

「はあ...もう帰ろう」

結局、家に帰ったのは午前5時。そこから泣きながら俺は仕込みを始めたのであった。

翌日のバーはもうガラガラ。病院の待合室の方が賑やかだったくらい。まあ少人数でも楽しかったけどね。部屋の隅で眠っていた泡盛の古酒の瓶を発見。が、なんか変な風味に変質してたので一杯500円で出す。妙に好評だった。

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相変わらずの家人タンに萌え萌え。

心配ですが、萌え萌え。

痛し痒しですな。


お大事にという方向で。

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このページは、VJCOMICCUTが2009年6月 3日 00:48に書いたブログ記事です。

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