「街宣車で使うテープを編集してCDとテープにして欲しいんですけど...」
「街宣車と言うとアレですか?」
「ええ、アレです」
名前を聞くと、今大変なことになってる某与党、の議員事務所。案件の履歴を見ると去年末にも弊社のご利用あり。とは言え去年と今じゃ必死さが違うんだろうなあ...。
「これが原稿なんですけど...うちの先生が2テイクしゃべってまして。いい感じでつないでいただいて60分くらいのエンドレスのCDとテープにして下さい」
「なるほど、2テイクですね」
「ちゃんと読めっつってんのに2回しか読まないで帰っちゃいまして...チッ」
(あれ?今アンタ、チッって言わなかった?言ったよね?チッて...)
どう言うのか...周囲のアタフタさ加減に比べ、本人はあんまやる気ない感じ。というかこんな街宣テープの吹き込みなんかどうでもいいことなんだろう。2テイクある方のどっちがいいんだかさっぱり分からない。
「少子高齢化、教育問題...」
「年金問題に真っ向...」
「地方に活力を...」
凡庸なフレーズしか言わない原稿(それでも読み間違えたり..)。
「○○を!○○を!どうぞよろしくお願いします」
ああ、ここだけはちょっといい感じだなあ。3回くらい繋いでおくか。ダメな方のテイクを間に1回挟むと、おお、抑揚が出ていい感じだ...。
で、1回の原稿読みは3分強だから60分間で18ループね。
作業に退屈して来た頃、となりの社員の若い衆に、
「あのさあ...これって17ループ目の終わりになんか...セックス!!...とかすごーく小さく挟んだら...」
「クビですから」
「...ハーイ」

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